肩こり症②

肩こりは、軽いものから頑固なこりまで様々です。肩こりは、作業能力や集中力の低下、情緒不安なども引き起こすこともあり早めの治療をおすすめします。

症例 40代 女性 くび肩のこり

*症例は、患者さん個人が特定されないよう、内容に変更を加えております。

症状

元々肩こりはあったが、出産して子育てをするようになってから急激に肩のこりが強く感じるようになってきた。(子供は、3歳)特に、抱っこを何回かすると、肩が段々こってくる感じがする、時間帯も夕方になると疲れも重なりより強くこりを感じる。こりは、両肩に感じるが、やや右肩の方がこっている。最近、洗濯干しや抱っこをすると右腕がしびれてきたので、近所の、整形で検査をしてもらったら、「肩の筋肉が固いのが原因です。」と言われ、湿布と干渉波の電気治療を数回してもらった。電気治療をしてもらった後は、半分くらいこりや、うでのしびれも軽くなるが、一日経つと元にもどる。育児中なので、肩こりは、半分しょうがないと思って我慢している、今日の針灸治療で少しでも楽になれば良いなと思っている。

所見

肩の触診では…

左右僧帽筋(特に右側)、右斜角筋、右小胸筋、右棘下筋、菱形筋に筋緊張がみられる。

 

肩のツボの反応…

天柱、肩井、天髎、肩外兪、欠盆、中府、膏肓に硬結および圧痛がある。

 

肩の理学検査…

ルーステスト(+)陽性の場合、胸郭出口症候群の可能性が高い

 

からだ全体の触診では…

みぞおちに圧痛がある。

腰部広背筋の緊張が強いやや右側が強い

 

からだ全体のツボの反応…

鳩尾、右帯脈、右天枢、足三里に硬結および圧痛がある。

 

体幹の可動テスト

頸部

右回旋(+)…右頚が詰まった痛みを感じる。

後屈(+)…詰まった感じがする。痛みはない。

左側屈(+)…右の首筋の張り感が強くなる。腕のしびれが強くなる感じがする。

体幹

右回旋(+)…右に回旋すると背中が詰まるような感じが強くなる

腰部

前屈(+)…腰から背中にかけて痛みを感じる。

下肢のしびれはない。

肩こり

治療方針

肩周りの筋肉の緊張も強いのだが、抱っこや家事など中腰姿勢が多いせいか、肩から背中から腰にかけて広い範囲で筋肉の緊張が強く背中がやや丸くなっている状態がうかがえる。また、右半身の筋肉の緊張もあり、肩周りの調整と姿勢の土台となる腰や骨盤の動きも整えることが大切だと考えられる。

 

治療

針灸治療

セイリン(0.12)×30mm 置鍼時間、仰・伏、各6分

仰臥位)百会、安眠、手三里、中脘、関元、帯脈、陽陵泉、足三里、(ホットストーン…中府、神穴)、(温灸器…手、足)

腹臥位)天柱、大椎、天髎、棘下筋硬結部、膏肓、督兪、肝兪、志室、大腸兪、承山、(温灸器…背部)

 

JRC

仙腸関節、腰仙移行部、肩甲骨、胸椎1~12面圧、頸椎1.2.3.4.5、右肩関節、胸郭


治療後パイオネックスを…頚胸移行部、肝兪、大腸兪、承山

肩こり治療

治療経過

治療後、「7割くらいコリがとれた」とのこと。腕のしびれは「半分くらいに減った」とのことでした。その後、一週間に、2回の間隔で治療をおこない、4回目の治療後、初回の状態にくらべて、半分以上肩こりがとれた(腕のしびれは消失)状態になったので、治療間隔を、一週間に一度にして治療を続け、最終的に1か月に1~2の間隔で治療をしています。

思ったこと

肩こりは、肩だけでなく腰や骨盤のバランスを考えて治療することが重要だと思います。育児による肩こりは(育児が肩こりの原因なので)、対処的な治療になってしまいますが、肩こりは、放っておくと精神的なストレスを増加させ情緒不安定にもつながるので一時的にでも肩こり解消することは、大切だと思います。

この、ブログはあくまでも、当院の臨床経験に基づくものです。同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。針灸の一般的な効果を意味する部分とは、異なる箇所もあります。


☎03-3694-1371 おぐち針灸院 〒124-0023 東京都葛飾区東新小岩4-23-2

 

来院地域 

 北区・品川区・大田区・江戸川区・葛飾区・板橋区・市川・松戸・埼玉県・杉並区・世田谷区・杉並区・立川市

 

このような症状の方が、来院されています。

くび・肩のこり・痛み、うでのしびれ、腰痛・神経痛、いらいら・こころの疲れ・自律神経のみだれ、めまい・耳鳴り・難聴、三叉神経痛・顔面神経麻痺、生理痛・更年期、足の痛み、膝の痛み、肘の痛み、手首の腱鞘炎・ばね指、手根管症候群、帯状疱疹後神経痛など

 

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