症例 左顔面神経マヒ 40代・女性
症状
3週間ぐらい前、朝起きて鏡を見たときは、大丈夫であったが、会社に出社して、同僚に「顔どうしたの?」
と指摘され、鏡を見たら左の顔半分が右と比べて、目や口が歪んでいた。あわてて、耳鼻咽喉科を受診した。医者からは、「顔面神経まひです。」といわれ、星状神経ブロック注射を毎日している。あと、ステロイド剤の点滴、ビタミン剤も服用している。「原因は、職場での人間関係のストレスではないかと思う」とのこと。発症日に比べて、まひも緩和して良くなっているのだが、早く治したい気持ちがあり、顔面神経まひに針灸は良いと知人から聞いて来院した。また、顔面神経まひになる前から、肩こり、胃部不快感、生理不順、足の冷え、のぼせ、精神不安定感などの不定愁訴があり、それらも治療してもらたいとのこと。
所見
顔面麻痺の状態(来院時には、見た目では、ほとんど左右差は認められないくらい回復していた。医者からも「経過良好です。」と言われた。)
- 閉眼・・・まひのため、左目完全に閉眼できず
- 額のしわ寄せ・・・ほぼ正常
- 頬のふくらまし・・・ほぼ正常
- イーと歯を見せる・・・ほぼ正常
- 口笛・・・ほぼ正常
全身の自覚症状
- 肩こり・・・右肩から肩甲骨にかけて自覚症状がある
- 胃部不快感・・・みぞおちのあたりが、苦しくなる
- 生理不順・・・周期が、50~60日位になっている
- 足の冷え、のぼせ・・・足の冷えがきついと同時に、頭がのぼせる会社にいると特に感じる
- 精神不安定感・・・イライラしやすく、怒りっぽい感情を抑えるのが大変
治療
顔面神経まひは、左の目の筋肉に少し残っているだけであり、時間の経過とともに症状が完全に回復するレベルであった。治療は、針灸で顔面の血流を改善すること。不定愁訴は、全身の針灸治療で改善し体の回復力を引き出し、まひの症状改善を促します。
針灸治療(セイリン0.12-30、置鍼時間各10分、刺入深度4mm未満)
仰臥位…百会、太陽、角孫、聴宮、魚腰、四白、安眠穴、中府(ホットストーン)神闕(箱灸)陽陵泉、足三里、三陰交
腹臥位…風池、天柱、肩外兪、天髎、膏肓、肝兪、志室、大腸兪、承山、ホットストーンで同時に背中を温める。針を抜いた後、温灸器を背部から足先にかける。
JRC
仙腸関節、頸椎の1~7番、背部の面圧手技を加える
針
箱灸
温灸器
JRC
治療効果と経過
治療後、不定愁訴がほぼなくなり患者さん自身も「とても体が楽になった」と喜んでいただけました。左目のマヒは、直後は不変でしたが、1週間後に来院されたときは、正常な状態に回復していました。また、不定愁訴も無くなり、気分も落ち着いたとのことでした。顔面まひの治療は、終了にしました。
思ったこと
今回の症例は、比較的症状が、軽く、良好な回復傾向にあったこと、耳鼻咽喉科との併用した治療ができたことが、功を奏し短期間で回復した症例です。
この、症例はあくまでも、当院の臨床経験に基づくものです。同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。針灸の一般的な効果を意味する部分とは、異なる箇所もあります。
☎03-3694-1371 おぐち針灸院 〒124-0023 東京都葛飾区東新小岩4-23-2
来院地域
北区・品川区・大田区・江戸川区・葛飾区・板橋区・市川・松戸・埼玉県・杉並区・世田谷区・杉並区・立川市
このような症状の方が、来院されています。
くび・肩のこり・痛み、うでのしびれ、腰痛・神経痛、いらいら・こころの疲れ・自律神経のみだれ、めまい・耳鳴り・難聴、三叉神経痛・顔面神経麻痺、生理痛・更年期、足の痛み、膝の痛み、肘の痛み、手首の腱鞘炎・ばね指、手根管症候群、帯状疱疹後神経痛など