自律神経失調症の症例

全身のコリ・痛み・気分の落ち込み   30代 女性

症状 

以前から、疲れが溜まってくると、全身に凝った感じや腰などに痛みを感じることがあり、それに伴い、気分の落ち込みもあった。しかし、休日にしっかり体を休めたり、ストレッチなどで体を整えるとそれらの症状は無くなっていた。それが、2か月くらい前から、休んだり、ストレッチをしても多少よくなるのだが、すぐに元に戻ってしまうようになった。また、2か月前に比べて、徐々に症状が強く感じるようになり夜も寝つきが悪くなり、朝から疲れて気分も悪い日が増えた。近所の内科に行って診てもらったら『ストレスが原因ですね。』といわれ、安定剤を処方された。また、近所の治療院でマッサージや骨格の矯正を受けていた。治療をしてもらうと楽にはなるが、また戻ってしまう。このようになってしまった原因は、半年前に、会社を変えたこと。新しい会社で担当している部署の人間関係による、精神的なストレスが原因だと思う。特に、部署の中で、苦手な人が来ると精一杯、気を使って仕事をしてしまい、仕事が終わるとグッタリしてしまう。もともと、『自分の性格が緊張しやすいのも悪いのかなぁ?』と思っている。このままでは、体の自覚症状が重すぎてせっかく入った会社も続けられるか心配になる。『針灸は、怖いが、少しでも今までより良くなればと思い必至の覚悟できました。』とのことです。

 

症状の図

治療方針

自律神経の中の、交感神経が過度に緊張したために、おきた症状だと考えられます。針灸とJRCを組み合わせた治療で、自律神経の緊張を取り除くことが大切です。 

 

針灸治療(セイリン0.12-30mm、置鍼時間各6分、刺入深度4mm未満、

仰臥位…百会・安眠・外関・足三里・三陰交(中府にホットストーン、神穴に箱灸も加える

腹臥位…天柱・天髎・C7とT1の移行部・膏肓・肝兪・大腸兪・承山(抜鍼後、温灸器かける。

 

JRC

仙腸関節(上方可動法A、中部面圧、立位での面圧)・c12とL1移行部・肩甲骨・c7とt1移行部・頸椎関節

 

パイオネックス

肩井・膏肓・大腸兪・承山


治療図
はり

温灸器

温灸器

箱灸

箱灸

ホットストーン

ホットストーン

JRC

JRC


治療経過

治療後、来院時の自覚症状が『7割位とれました。』とのこと。一週間に、1~2回の通院をして、4回目の治療後、症状が軽くなり安定している状態になったので、ストレッチと腹式呼吸などを指導して、辛くなったら治療を受けるように説明して治療を終了にしました。その後、2か月に一度くらいのペースで治療を受けに来ています。

 

思ったこと

自律神経のみだれから起こる、さまざまな症状は、鍼灸治療が効果的であると思います。

この、症例はあくまでも、当院の臨床経験に基づくものです。同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。針灸の一般的な効果を意味する部分とは、異なる箇所もあります。