肩関節の動きと胸椎の関係

最近治療した2~3人の患者さんの症状で胸椎の動きの悪さが肩関節の動きに制限がかかり痛みを起こしていたケースがあったので久々にブログで報告したいと思います。

  

患者さんそれぞれ、肘を90°曲げて肩関節を水平に内転すると前腕の付け根と肩甲骨の下縁付近の痛みがあり、肩関節の可動域には問題なく、胸郭出口症候群の判定に用いるルーステストも陰性であり原因は掴めず腕の付け根と肩甲骨の下縁付近に筋肉の緊張して硬結になっている部分に鍼を刺して様子を診ていましたが痛みは多少良いものの痛みが残っている状態が続いていました。

そこで、胸椎の12番と腰椎の1番の関節が構成する胸腰移行部の体幹を左右に回旋するテストをすると右回旋、左回旋に各々回旋しやすい、しにくい状態で左右差が表れていたので、胸椎12番と腰椎1番の関節の動きをJRCで回復して再度肩関節の動きを確認すると肩関節を動かした時の腕の付け根と肩甲骨の下縁付近の痛みが消失していました。

 

腕の付け根や肩甲骨の下縁の筋肉の緊張して硬結になっている部分を触診すると鍼を刺していただけの時よりも硬結の大きさが小さくなっていて胸腰部の関節の動きが腕の付け根や肩甲骨の下縁付近の筋肉を引っ張り肩関節のスムーズな動きを障害していたとのではないかと考察しています。

 

ついつい、整形外科的な所見が確認できないと周囲の筋肉の緊張によるものと判断しがちですが、身体の動きは関節の動きも伴って成立していることを改めて実感した症例でした。物事を大局的に見ていく大切さを気づかされました。反省、反省・・・(ー_ー)!!

 

 


この、ブログはあくまでも、当院の臨床経験に基づくものです。同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。針灸の一般的な効果を意味する部分とは、異なる箇所もあります。