針灸の効果(現代医学的解釈)

針灸刺激が及ぼす脳の反応
針灸刺激が及ぼす脳の反応

アメリカのCAM(補完代替医療)研究センターでは、針灸の有効性を長年研究をしていて、現代医学的に針灸の生体に及ぼす効果について次のような発表をしています。

 

針灸が皮ふを刺激すると、皮ふ周辺の知覚神経が刺激されて、刺激が大脳まで伝わる過程で、延髄、中脳、視床下部に刺激が伝わります。延髄、中脳、視床下部には各々、刺激による反応として、自律神経機能の調節(延髄)、オピオイド放出(中脳)、オキシトシン放出(視床下部)が行われると考えられています。

 

自律神経とは…皮ふ、血管、内臓など存在し身体の機能を保つ神経。

 

オピオイドとは…脳内で作られるモルヒネ様物質のことで、針の鎮痛効果に関与すると考えられています。

 

オキシトシン…抗ストレスホルモンとも言われ、こころの健康に関与しています。

 

以上の研究成果を踏まえると、針灸治療により、肩や腰の痛みが軽くなったり、冷え症や風邪を引きにくくなった、気分が軽くなったりリっラックスできるのも頷けます。私もこの研究成果を常に頭の中に入れて日々の臨床に対応しています。地域の医療連携の場では、針灸の効果を、説明するときにこのような研究成果を交えて説明するのもより良い理解につながると思います。

 

また、ヨガや瞑想、座禅などをすると前頭葉が刺激され、その刺激が延髄、中脳、視床下部ににも伝わり、針灸刺激と同じような反応が現れることも報告されています。病は気からと言われますが、このような、身体の関連性があることがわかります。